ARMORED CORE 6 幻覚の強化人間

全世代共通

人間の知覚拡張実験および(アーキバス主導の第2世代以降は)AC操縦技能向上のための処置が施された人間。
強化の主軸は(優れた真人間のAC乗りもやってる)「ボディスキーマをACに置換」「コントローラの操作とACの挙動の紐づけ」といった感覚拡張(これらによって強化人間は機種転換に強くなっている)、(プロバイオティクス投与や遺伝子治療といった)アンチエイジング技術を応用した身体強化。
そして入力(強化人間の第2腰椎付近にある入力端子を受容器として、ボディスキーマ置換に必要な情報をACから出力してもらう。そのため強化人間が乗るACのコックピットにはHMD接続用端子からその様な情報を切り分け、出力するための機材が追加されている)はともかく、出力(AC操縦)は真人間と同様のコントローラ操作となっている。

AC操縦を(脳神経パルスとACを直結させるなどの)思考操作としないのは、AC操縦には(皮膚や筋肉の収縮といった体性感覚情報によって意識を介さずに引き起こされる運動である)「反射」等も重要になってくるため。およびACの操縦は圧倒的多数である「真人間」に最適化されていることによるもの。
(ただしACのコントローラには、傷や体調不良時で操縦桿をうまく動かせない時のための操縦支援として、皮膚電位から操縦意図を読み取るセンサも備わっている)(そしてACのパイロットスーツの指先等には、皮膚電位を仲介する電極が備わっている)。

先述の通り反射および随意運動には感覚受容器としての皮膚や筋肉も重要であること、および肉体の特定部位の欠損に伴う脳の体性感覚野&運動野の再マッピングにより「人型兵器であるACと類似したボディスキーマが損なわれる」のを防ぐため、強化人間の四肢は保存しておくことが推奨されている。

第1世代

50年以上前に技研で行われた「Cパルスによる人間知覚の増幅」の研究により誕生した強化人間。
外科手術で脳に天然コーラルを注入し、そのコーラルを「脳神経コーラル管理デバイス」という機械で制御する(これに伴ってか第4世代までは、脳神経コーラル管理デバイスのロットナンバーで呼ばれる事が多い)という非常に危険度の高い手術で作られており、当時の成功率は10%未満。
また成功したとしても、天然コーラルを用いた世代(~第6世代)までは「コーラルの声を声と認識できないことによる」幻聴などに苦しむ事になる。

第2世代

20年ほど前にアーキバスで「再発明」された強化人間。
第1世代と比べてよりACの操縦に最適化されており、第2腰椎へのHMD接続用端子の入力端子の追加はもちろん、脳神経コーラル管理デバイスに「通常モード」「(いわゆる「ゾーン」に入った状態である)戦闘モード」、および幻聴等による不眠症対策として「休眠モード(設定した時間まで維持されるが、外的刺激によっても覚醒可能)」「シャットダウン(設定した時間にならないと覚醒しない)」のモード切替機能が追加されている。

第3世代

(脳神経コーラル管理デバイスとは異なる)体内電脳(位置は後頭部、両後頭筋の間)および、人工視覚(撮像素子は既存生体パーツを使用、刺激電極アレイを眼窩の視神経に接続、画像処理回路およびパルス生成回路は体内に埋め込んだ電脳に搭載)の追加といった肉体の機械化が進んだ世代。
人工視覚によりHMD接続用端子を自らの体に接続すると、HMD無くとも視覚に直接各種インジケータを表示させる事が出来る。
また電脳にはアプリケーションの追加機能もあり、健康管理アプリを入れれば通常モードの視覚に血圧や脈拍のインジケータを表示させる事も出来る。

第4世代

第3世代の処置に加え、施術前の記憶の消去、および「感情の鈍麻化」「管理者に絶対服従」といった洗脳処置、もといAC操縦への完全な最適化がなされるようになった世代。
管理者は強化人間の「モード移行」の上書き権限も持っており、この世代の強化人間は管理者から管理者アカウントを譲渡してもらわない限り自由な睡眠はままなららない。
(なお本編の登場人物のうち、イグアスは「レッドガン加入の前にミシガンが元の管理者から管理者アカウントを強奪し、『青少年の健全育成のため』イグアス自身に持たせている(がイグアスはそれを知らない)」、C4-621は「脱走時のメッセージに、管理者アカウントが621のアカウントと統合される処理も含まれていた」事で、両者ともルビコンの解放者ED後には管理者に縛られる事のない生活を送れている)。

しかしこの世代になっても手術の成功率が低い事、洗脳が解除されやすいこと等から費用対効果が低いとなり、アーキバスは方針を転換し(余ったコーラルや脳神経コーラル管理デバイスを闇に流した上で)、洗脳というアプローチの再検証、およびコーラル代替技術の研究に取り組む事になる。

第5世代

10年ほど前に「ミールワームによる生体濾過を使った代替コーラルの精製」という技研の論文が何者かに公表された事により、強化人間(コーラルに対する人間の生体反応)に詳しいアーキバスが、「人間を使った天然コーラルの濾過」の手法を探るために生み出した強化人間。
無論強化人間とは名ばかりで、様々な手法でコーラルに漬けられては解剖されていく人間に過ぎない。

第6世代

第5世代の犠牲により「人間を使った天然コーラルの濾過」の手法が確立された事により生み出された、代替コーラル(第1世代)を生み出すためだけの世代。
彼らの犠牲により第7世代強化人間が誕生したが、「物理濾過による代替コーラル(第2世代)」の手法が確立されてからは不要となり破棄された。

第7世代

代替コーラル(第1世代)により強化された人間。
この世代から「侵襲型ブレインマシンインターフェイスはメンテナンス性が落ちるので非推奨」となり、また洗脳についても「強化された判断能力を低下させるより、企業人として(社に尽くすよう洗脳した上で)勤めさせて優秀さを発揮させた方がよい」となり、強化人間となってもほぼ他の「アーキバス社員」と変わりない生活が送れるようになっている。
しかしこの世代の代替コーラルは、精神の不安定化に繋がる変異波形が生じる危険性があり、また強化人間化の手法も神経や血管の損傷の危険性がある脳外科手術(脳機能の保存具合を確認できる覚醒下脳手術)であったため、後遺症を残すことは少なくなかった。

第8世代

精神への影響が少ない代替コーラル(第2世代)により強化された人間。
これまでの世代より精神的に安定すると共に、思考速度や反射速度といったACパイロットとしての能力、および健康面でも上回ったため、「旧世代を完全に無価値化したニューエイジ」と呼ばれる。
しかし代替コーラルと脳神経の接続の手法はまだ脳外科手術であったため、後遺症の有無は施術した医師の技量に頼るところがあった。

第9世代

代替コーラル(第2世代)を使っているところまでは第8世代と変わりないが、代替コーラルと脳神経の接続の手法が外科手術ではなく(神経細胞間に入り込み、代替コーラルと接続すべき場所を判断でき、投与した代替コーラルをその場所に誘導できる)ナノマシン投与となった。
これに伴い「天然コーラルに反応する事で、天然コーラルを代替コーラルで中和する」……天然コーラルによる幻聴や、「脳神経コーラル管理デバイス」に悩む旧世代の強化人間を「安定かつ優秀な強化人間」にする事が可能に。

第10世代

肉体強化手法の成熟により、コーラル代替手法が代替コーラルですら無くなった(強化人間化にコーラルを使用する必要がなくなった)事によるものか、極めて精神的に安定するようになった世代。
また今までの世代では(一酸化炭素やベンツピレンなど200以上の有害物質を含む)煙草の無毒化は出来なかったが、この世代から可能となっている。